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九 アブラハムは、ひとり子イザクを、いけにえに献げようとした



 アブラハムは年をとってから、男の子を授かり、その名をイザクとつけました。イザクは成長してりっぱな少年になりましたが、あるとき、神さまは、アブラハムをためそうとして「アブラハムよ。おまえは、おまえの子のイザクを、私の示す山に連れて行って、そこでいけにえとして献げなさい」とお命じになりました。

 アブラハムはこのみことばを聞くとすぐに決心し、朝早くおきて、いけにえを焼くために使うまきを用意してろばの背につみ、イザクをつれてでかけました。三日目に、ずっと向こうのほうに、神さまの示す山が見え始めました。その山のふもとにつくと、アブラハムはイザクにまきを負わせ、自分は火種と刀とを持って、山に登りました。途中で、イザクは、ふと思い出して、「お父さん」と呼びかけました。アブラハムが、「イザクよ、どうしたのか」と聞くと、「お父さん、火とまきはありますが、いけにえに献げる羊はどこにあるのでしょうか」と、ふしぎそうに尋ねました。アブラハムは静かに、「それは、神さまが用意しておいてくださる」と答えました。

 二人は頂上につきました。アブラハムはそこに祭壇を築き、まきを積むと、それからイザクをしばってまきの上にのせました。こうして刀をとり、いよいよイザクを殺そうとふり上げたとき、突然、天使がくだってきて、その手をとめて言いました、「アブラハム!イザクに手をかけてはなりません。今こそあなたが何よりも神さまを愛しているということがわかりました!」

 イザクを殺す手をとめたアブラハムが、ふりかえってみると、そばのいばらの枝に、雄羊がひっかかっていました。そこでそれを取ってイザクの代わりにいけにえを献げ、親子ともに喜んで家に帰りました。


一 私たちはアブラハムのように、心から神さまを信じ、神さまに望みをかけ、また、何よりも神さまを愛して、どこまでも神さまのお言いつけに従わなければなりません。

 
信徳と望徳と愛徳の三つの徳を、対神徳といいます。対神徳というのは、神さまに対する徳ということです。


二 対神徳を起こしなさい、そのためには、次のように祈りなさい。(公教会主祷文4ページ)

 
神さま。あなたは決して嘘を言わないおかたですから。私はあなたのおっしゃることをすべて信じます。

 
神さま。あなたは最も慈悲深いおかたですから、私はすべてを、あなたによりたのみます。

 
神さま。あなたは最も愛すべきおかたですから、私は心からあなたを愛します。

信徳唱

真理の源なる天主、主は誤りなき御者にましますが故に、われは主が公教会に垂れて、われらに諭し給える教えを、ことごとく信じ奉る。

望徳唱

恵みの源なる天主、主は約束を違えざる御者にましますが故に、救世主イエズス・キリストの御功徳によりて、その御約束の如く、われに終わりなき命と、これを得べき聖寵とを、必ず与え給わんことを望み奉る。

愛徳唱

愛の源なる天主、主は限りなく愛すべき御者にましますが故に、われ、心を尽くして、深く主を愛し奉る。また主を愛するがために、人をもわが身の如く愛せんことを努め奉る。
  



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